炭水化物

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栄養学
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炭水化物とは

炭水化物はタンパク質・脂質とあわせて三大栄養素と呼ばれています。

ブドウ糖や果糖などの単糖から、構成されているものを総称して炭水化物と言います。

炭水化物には大きく分けると、体内に吸収されてエネルギー源になる「糖質」と、消化吸収されずエネルギーにならない「食物繊維」とに分けることができます。

炭水化物の種類

炭水化物は構成している単糖の数が1個のものを単糖類、2個のものを二糖類、2~10数個のものを少糖類、それ以上のものを多糖類と言います。

単糖類には、ブドウ糖、果糖、ガラクトースなどがあり、二糖類にはショ糖、乳糖、麦芽糖などがあります。

これらは、すべて体の中でエネルギーになる「糖質」です。

ショ糖は、調味料として普段使っている砂糖のことで、ブドウ糖と果糖が結合したものです。

また、乳糖はブドウ糖とガラクトースが結合したもので、牛乳に多く含まれています。よく牛乳を飲むとお腹がゆるくなることがあります(乳糖不耐症)。

これは乳糖を分解する酵素が足りなくて、消化不良を起こしているのです。

少糖類はオリゴ糖とも言い、腸内の善玉菌を増やす効果があるとして、特定保健用食品にも利用されています。

多糖類には、代表的なエネルギー源となるでんぷんや、グリコーゲンがあります。どちらもブドウ糖が多数結合したものです。また、果物に多く含まれるペクチン、こんにゃくに含まれるグルコマンナン、寒天に含まれるアガロースなどの食物繊維も多糖類に分類されます。

炭水化物の吸収と働き

炭水化物のうち、ショ糖やでんぷんなどの糖質は、体の中で1gあたり約4kcalのエネルギーを産生します。

炭水化物は体内では、主に血液中にブドウ糖の形で存在しており、血液中のブドウ糖の濃度が血糖値となります。

食事をして血糖値が高くなるとインスリンによって血糖値は低くなり、反対に、空腹になり血糖値が低くなってくるとグルカゴンといったいくつかのホルモンによって血糖値は高くなります。

このように、血糖値は厳密に一定の濃度(80~140㎎/㎗)に保たれているのですが、インスリンの分泌量が少なかったり、感受性が悪くてうまく働かなかったりしてこの調整がうまくできず、血糖値が高くなりすぎてしまうのが糖尿病です。

1日の炭水化物摂取基準量

炭水化物の1日の摂取基準量は男女とも1日に食事から摂取するエネルギー(kcal)の50~65%に相当する量になります(表1)。

例えば、1日に摂取するエネルギーが2,000kcalの場合、50~65%に相当するエネルギー量は、2,000kcal×0.5~0.65=1,000kcal~1,300kcal。

炭水化物は1gが約4kcalですから、1,000kcal~1,300kcal÷4kcal=250g~325g。

つまり1日に250gから325gの炭水化物を摂取することが望ましいということになります。

そのため、炭水化物の1日の摂取基準量を満たすため、まずは1日のエネルギー必要量(摂取カロリー)を把握しておくとよいでしょう

性別 男性 女性
年齢等 目標量a,b(中央値c 目標量a,b(中央値c
0~5(月)
6~12(月)
1~2(歳) 50~65 (57.5) 50~65 (57.5)
3~5(歳) 50~65 (57.5) 50~65 (57.5)
6~7(歳) 50~65 (57.5) 50~65 (57.5)
8~9(歳) 50~65 (57.5) 50~65 (57.5)
10~11(歳) 50~65 (57.5) 50~65 (57.5)
12~14(歳) 50~65 (57.5) 50~65 (57.5)
15~17(歳) 50~65 (57.5) 50~65 (57.5)
18~29(歳) 50~65 (57.5) 50~65 (57.5)
30~49(歳) 50~65 (57.5) 50~65 (57.5)
50~69(歳) 50~65 (57.5) 50~65 (57.5)
70以上(歳) 50~65 (57.5) 50~65 (57.5)
妊婦
授乳婦
  1. 範囲については、おおむねの値を示したものである。
  2. アルコールを含む。ただし、アルコールの摂取を勧めるものではない。
  3. 中央値は、範囲の中央値を示したものであり、最も望ましい値を示すものではない。
  • 目標量:生活習慣病の予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量。

炭水化物が不足するとどうなる?

人がエネルギーとして使える栄養素は、炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質の3種類がありますが、すぐにエネルギーに変えられるのがブドウ糖です。

しかし、体の中では、糖質は少量のグリコーゲンとして肝臓や筋肉の中に蓄えているだけで、余分なエネルギーのほとんどは脂肪として体の中に蓄えられています。

エネルギーとして血液中のブドウ糖を消費してしまうと、肝臓や筋肉の中に蓄えられているグリコーゲンを分解するのですが、その量はそれほど多くないため、グリコーゲンも尽きてしまうと、エネルギーが不足し、疲れやすくなります。

特に、脳は、ブドウ糖を唯一のエネルギー源にしています。

脳は、昼夜、活動時休息時問わず、ほぼ一定の速度でブドウ糖を燃焼しており、脳だけで1日に120gものブドウ糖を消費するともいわれています。

そのため糖質が不足すると、脳や神経への栄養が行き届かなくなくなるため、判断力が鈍り、注意力が散漫になってきます。

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